投資信託には、大きくアクティブファンドとインデックスファンドというカテゴリーがあります。
証券会社のホームページで、投資信託ランキングを見るとアクティブファンドと呼ばれるものが複数登場しており、アクティブファンドに投資した方が良いのでは?と思う方もいらっしゃるかと思いますが、当ブログではアクティブファンドはおすすめしません。
当記事では、そもそもアクティブファンドとはどういうものを指すのか、そしてなぜおすすめしないのか、についてご説明します。
アクティブファンドとは
アクティブファンドとは、運用会社が独自の判断で、利益が出ると思われる銘柄を組み合わせ、インデックスファンド以上の運用成果を目指して運用する商品のことです。
インデックスファンド以外のファンドは、全てアクティブファンドです。
例えば、SDGs、宇宙、AI、ブロックチェーンなどほぼ全てアクティブファンドに分類されると言えます。
アクティブファンドは、長期でみると、インデックスファンド以上の運用実績を残すことが極めて難しいと考えれられます。以下、その理由を詳しく説明します。
アクティブファンドは信託報酬が高い
ほとんどのアクティブファンドは、インデックスファンドに比べて信託報酬が高く設定されています。
インデックスファンドの信託報酬が概ね1%以下、多くのものが0.5%以下なのに対し、アクティブファンドの信託報酬は、1%〜3%のものが多いです。
このことは、100万円投資した場合、何もしなくても、信託報酬として毎年1万円〜3万円が引かれることを意味します。
信託報酬とは何か?
信託報酬とは、ファンドを運用している会社と、そのファンドを販売する会社(証券会社など)などに支払われる手数料です。
アクティブファンドの信託報酬が高い理由は、インデックスファンドに比べ、運用コストがかかるからです。
アクティブファンドは、運用会社が独自で銘柄を調査分析し、銘柄選定を行っており、そのための人材(ファンドマネージャー、アナリストなど)を必要とし、インデックスの運用人材よりも高度なスキルを必要とする(給与水準が高い)傾向があります。
以上から、信託報酬が高く設定される傾向にあります。
信託報酬が高いことにより、アクティブファンドに投資した際の最終利益が、信託報酬の控除後、インデックスファンドよりも少なくなってしまう可能性が高くなります。
アクティブファンドから期待できるリターンの上限は低い
ファンドの運用業界では、アクティブファンドの大半が、運用実績において、インデックスファンドを上回ることができないと認識されています。
また、アクティブファンドの運用結果が、平均してインデックスファンドよりも劣ることは、金融庁が公表している「資産運用業高度化プログレスレポート2022」のデータでも示されています。
本レポートからも読み取れますが、アクティブファンドの約1割程度がインデックスファンドよりも運用実績で優れていると言える、あるいは約9割はインデックスファンドに勝てるとは言えない状況です。
なぜそんなにも勝てないのか。
アクティブファンドは1~3%という信託報酬を設定していますが、少なくともその信託報酬以上の利益を出さないと、インデックスファンド以上の利益を出すことが出ません。
しかし、極めて優秀なアクティブファンドでもインデックスを3%上回るのが限界と言われています。実際、長期的にインデックスを3%上回るリターンを獲得できる運用者は非常に優秀とみなされ、一流の運用会社(ヘッジファンドも含みます)で働くことが可能です。
以上、アクティブファンドがインデックスファンドに勝てない理由は、高い信託報酬が、アクティブファンドで獲得可能なリターンの上限を上回っているためというわけです。
長期間保有することを考えると、そもそも勝てる可能性が低いファンドの1つに投資することはおすすめできません。
勝てるアクティブファンドを選ぶことは難しい
アクティブファンドの1割はインデックスファンドよりも利益が得られるのなら、それを選べばよいのではないか。と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、一般の人がどのアクティブファンドがいいかを評価するのは、非常に難しいです。
プロの投資家は、アクティブファンドの運用業者に直接話を聞いて、そのアクティブファンドの評価を行いますが、それでもインデックスファンドに勝てる投資先を選ぶのは困難です。
そのようなことができないアマチュア投資家にとって、公表されている資料やレポートだけでは、アクティブファンドを評価することは当然ながら、実態を掴むことさえ極めて難しいといえます。
以上の理由から、私は、アクティブファンドへの投資はおすすめしません。
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