アルプスで発見された考古遺物について
・2003年、アルプス山脈にて、溶けた氷河から登山家が不思議なものを発見。家に持ち帰り、ベルン歴史博物館に連絡。
・分析の結果、発見された物は、紀元前2800年(新石器時代)の矢筒の一部であることが判明。
・その後、矢筒が見つかった場所の近くから、矢筒の別のかけら、獣の皮でできた靴の一部、ズボンの切れ端、木製の矢、弓が見つかり、全て同時代(紀元前2800年)のものと測定される。このことから、一人の人物が身につけていた物と考えられる。
・遺物を身につけていたとされる人物は、遺物が見つかった場所にちなんで、「シュニディ」と名付けられた。シュニディは新石器時代の戦士であったとも推測され、(動物または人間に襲われるなど)死につながる事故にあって亡くなったと考えられている。
・考古学者は2004年から15年にわたってシュニディの遺体を探したが、遺体は発見されず。今後、遺体が発見される確率は低いとされている。
謎1:なぜシュニディが発見されないのか
・ハゲワシなど、野生動物に食べられてしまったか。
・シュニデイの親族が遺体を持ち去ったか。
謎2:なぜシュニディはアルプスにいたのか
・シャモアやアイベックスなどの動物を狩ろうと狙っていたのか。
・弓を持っていたのは、動物から身を守るためなのか、それとも自分が動物または人を攻撃しようとしていたのか。
・宗教的な儀式に出るために、アルプスの峠を越えようとしたのか。スイス南部でのシオンでは、紀元前2900年から500年頃まで使われていたとされる墓地遺跡が見つかり、この時代に祖先崇拝があったのではないかと考えられている。
最初に山で遺物を発見し、それを持ち帰った登山家の好奇心にも関心しましたが、その後何度も山に登って調査を続けた考古学者たちの情熱がすごいと思いました。
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