FXとは、日本円と米ドル、日本円とイギリスポンドなどのように、2国の通貨を交換する取引です。
例えば、1ドル100円の時に100万円をドルに換金すると、1万ドルになります(ここでは、取引手数料等は考慮しません)。
その1万ドルを、1ドル150円になった時に円に換金すると、150万円となり、50万円の利益が出ます。このように、FXは為替の変動を利用した取引となります。
私がFXをおすすめしない理由は、長期的に安定して利益を出すことが期待できないからです。
なぜ長期的に安定して利益を出すことが期待できないかを、大きく3つの観点で詳しく説明します。
通貨の価値は事業会社間等の需要と供給の関係で決まる
基本的に、通貨の価値は、事業会社間等の多様な取引の結果決まります。
為替は金融市場で最大の規模を誇り、日々の取引量も株式等の他の取引を圧倒しています。
それは、株式等の他の資産と異なり、海外と取引する(=自国通貨で他国通貨を売買する)ことがそのまますべて通貨の価値に影響するからです。
為替の方向性を狙って取引する投機筋(為替が一方向に動くことで収益の獲得を狙う先、ヘッジファンド等)は、全体の一部に過ぎません。
このように、事業会社間等の需要と供給の変化により、常に綱引きをしていることから、為替は、長期的に一方向に上昇したり下落したりすることが期待できるものではありません。
為替は2国間の相対価値で決まる
為替は、日本一国の状況で決められるものではなく、相手方通貨の需要と供給にも影響されて変動します。
例えばドル円を例に挙げると、米国側の影響を非常に強く受けます。
一方、株価を決める最大の要因は、その株の企業業績であり、将来の期待値です(この点、別記事で詳しく解説しています)。
これが株式と為替の大きな違いで、株式の場合は、その株の企業業績等を見通すことで将来の株価の動きが予測できますが、為替(ここではドル円)の場合は日本だけのみならず、アメリカの動きも考える必要があります。
例えば、2022年のドル円相場は、アメリカの金利上昇が、急激な円安の主な要因でした。これを受けて日本政府が行なった円買い介入により、1日で7円以上円が急騰したこともありました。
政府は自国通貨の安定を望む
政府は、自国通貨(例えば日本円)の価値の急激な変動を望みません。
なぜなら、急激な為替の変動が起こると、輸出企業、輸入企業のどちらかに著しい不利益が生じるからです。
外国の通貨に対して、日本円の価値が高くなることを「円高」、低くなることを「円安」といいますが、円高の状態になると輸入コストが下がるため輸入企業に有利になります。
反対に、円安になると海外で販売する商品の円換算した売上が増加するため、輸出企業に有利となります。
実際、2022年にはアメリカの金利上昇を主因に円安が進みましたが、政府はこれを好ましくないと考え、2022年9月には24年ぶりの円買い介入が行われました。
まとめ
いかがだったでしょうか。
上記のように、通貨は主に3つの要因で、長期的に一方向に上昇したり、下落したりすることを期待できるものではありません。
為替の変動を予想することは難しく、実際、FXだけで生計を立てられている投資家は極めて少なく、プロの投資の世界でもFXで成功することは最も難しいと言われています。10年後、20年後のための資産形成を考えているならば、FXへの投資は絶対におすすめしません。
FXに投資するお金があるならば、このブログで紹介しているような、長期的に上昇することが期待できるもの(株式インデックス等)に投資することをおすすめします。
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