配当が真に意味すること

投資初心者向け

株式投資をするにあたって、配当の有無、また、配当がある場合に高い低いを気にされる方も一定数いるかと思います。

当記事では、配当が高いことは良いことなのか、また、配当が高い株を買うべきなのかについて説明していきたいと思います。

配当が高い企業は良い企業なのか

配当とは、企業の現金を株主に分配することです。

そしていくらの配当を出すかは、企業が決めます(株主の承認後に確定します)。

ここで、高配当の企業=儲かっている企業、低配当の企業=儲かっていない企業というイメージがある方もいらっしゃるかと思いますが、本当にそうなのでしょうか。

株を購入する際には、多くの方が株価の行く末に注目すると思いますが、配当に注目して、高配当株を選ぶ方もいらっしゃるかと思います。

しかし、株価と配当は密接に関係しているため、独立したものとして検討しない方が良いです。

株価が高い=配当が高いというわけではありません。実際は、企業が配当を分配した後は、配当を出した分、株価は下落します(正確には、配当権利落ち日の前後の値動きのことです)。

例えば、配当をもらう前の株価が5,000円で、1,000円分の配当をもらえるとすると、配当をもらった後の株価は4,000円でなければ、その株の買い手はいないということです(やはり配当権利落ち日前後の話です)。

上記を踏まえると、配当が高い企業は良い企業(株価が上がりやすい企業)で、配当が低い(もしくは無配当の)企業は悪い企業とは一概に言えないことが分かります。

では、なぜ配当を出す・出さない企業があるのでしょうか。

企業によって方針は異なりますが、一般的には、成長している業種(ITサービス等)は低配当や無配当が多く、公共サービス(水道やガス)を提供するような企業は、配当を出す傾向があります。

では、投資するにあたって、ITサービス等の企業よりも、公共サービス等の企業が良いと言えるかというと、そんなことはありません。

ITサービスや、成長途中の企業が配当を出さないのは、利益が出た分の現金を、将来の成長のための投資に回しているからです。

一方、公共サービス等が配当を出すのは、市場が成熟しており、利益として出た分の現金を、投資として回さずとも今後も一定の利益を得ることができる=投資に回さずに配当として出せる状態にあるからです。

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高配当企業に投資すべきか

上記に記載の通り、配当が高い企業は、良くも悪くも事業が安定しているため、悪い投資先ではないといえます。

しかし、成長に必要な投資をあまり行っていないともいえるため、今後大幅に成長するかというと、そうとはいえず、大きな利益を得る可能性も低いと考えられます。

では、配当が低い、もしくは無配当の企業は成長が著しいため、低配当・無配当の企業の株を買った方が良いのでしょうか。

低配当・無配当の企業というのは、上記に記載している通り、成長途中の企業が多いのですが、それらのすべての企業がそのまま成長していくわけではないことは理解しておく必要があります。

成長途中ということは、そのまま成長せずにつぶれる可能性もありますし、成長して大きな利益を出す企業になる可能性もあります。

つまり、個々企業によって成長する・成長しないは分かれるため、高配当を出す安定企業と比べると、リスクが高い投資といえるでしょう。

当ブログの他の記事でも述べましたが、高配当だから、低配当・無配当だからという目線で個別の株を購入することは、偏った投資であり、リスクになります。

そのため、成長企業、または高配当の安定企業のみに集中して投資するのではなく、また、個別の株に対してあれこれ検討して個別株を購入するのではなく、色々な特色のある株式に投資できるような、投資信託を購入することをお勧めします(具体的に何を買うべきかについては、おすすめのインデックス投資3選+1をご参照ください)。

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