一番好きなフレーズ
何を食べ、どう体を動かし、どう眠るか、実践していることのすべてが将来の自分を決めるのです。毎日がベストでなくても大丈夫。できることからはじめてみましょう。
更年期と体の不調
・更年期とは、閉経の前後5年間ずつの合計10年を指す。日本人の閉経年齢の中央値は50.54歳なので、50歳で閉経するとすれば、更年期は45歳から55歳となる。ただ、閉経年齢には個人差があるので、閉経してみないと更年期がいつはじまったのかわからない。
・40代に入ると卵巣の機能が低下して、女性ホルモンの「エストロゲン」を作れなくなり、分泌量が減っていくことで心身にさまざまな不調が現れる。
*エストロゲンの役割:コラーゲンの産生を促し、肌の弾力を保つ。悪玉コレステロールをへらし、善玉コレステロールをふやしてコレステロール値を適正に保つ。自律神経を安定させる。骨を強く保つなど。
・更年期症状がとくに強く現れるのは、閉経の前後2年ずつの3〜4年間。
*閉経=12ヶ月間月経がないことで閉経したとみなす。
・閉経前後に見られる主な症状:ホットフラッシュ、動悸・息切れ。月経異常、不正出血、骨盤底筋が弱くなることから尿漏れ、頻尿。コラーゲンが産生されにくくなることにより、皮膚、目、膣などが乾燥する。また、肩こり、腰痛、関節痛も引き起こす。その他、頭痛、不眠、めまい、耳鳴り、食欲不振、胃もたれ、下痢、便秘など。
・ホットフラッシュと呼ばれる異常発汗や、ほてる、イライラ、不安感、不眠、手足の冷えなどの「更年期症状」は、全体の6割ほどの人が感じる。残りの4割の人は、月経周期がバラつくなどという変化しか感じずに更年期を過ごす。
・閉経前後からLDL(悪玉)コレステロールが増える。健康診断で、LDL(悪玉)コレステロール値とHDL(善玉)コレステロール値の差が大きい場合(悪玉が高くて善玉が低い場合)、注意が必要。血管の中を過剰なコレステロールを含む血液が流れることで、動脈硬化を引き起こす。LDLコレステロールが140mg/dL以上、HDLコレステロールが40mg/dL未満、中性脂肪が150mg/d以上のいずれかの場合、脂質異常症と診断される。脂質異常症が疑われたら、まずは内科を受診するべき。
・閉経前後にエストロゲンの分泌が急激に低下すると、骨の量が減少し、骨がもろくなっていく。もっとも減りやすいのは顔の骨。
・エストロゲンの分泌量が減少すると、抜け毛がふえるなどの頭髪のトラブルも出てくる。
・更年期指数チェックリストで50点以上だったら産婦人科を受診し、相談してみると良い。
*チェックリスト(東京大学医学部附属病院Webサイトより)
更年期とがん
・更年期にとくに注意したいのが、女性ホルモンの乱れからくる子宮体がん。閉経前後の50〜60代で急増する。初期の症状として、不正出血がみられる。若いころから月経不順だった人、出産経験がない人、閉経が50代後半と遅かった人は特に注意が必要。
・乳がんは30代後半以降に羅漢率が急上昇し、日本では、40代後半と60代前半に発症のピークがある。乳がんは女性ホルモンの刺激によって増殖するため、初潮が早かった人、閉経年齢が遅かった人は注意が必要。また、授乳経験がない人は、授乳経験がある人に比べて発症リスクが高い。アルコールの摂取も乳がんの発症リスクを高めるとされ、摂取量が増加するほどリスクも高くなると言われている。
・卵巣がんの発症のピークは50代で、多くの場合、閉経後に発症する。自覚症状が少なく、発見しにくいがん。妊娠・出産経験がないなど、排卵回数が多い人ほどリスクが高まる。そのほか、無月経、激しい月経痛などの月経トラブルを抱えていた人、血縁者に卵巣がんや乳がんにかかった人がいる人も要注意。
更年期に向けての準備、予防
・骨の材料となるカルシウム、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、カルシウムを骨に定着させるビタミンKを意識してとるようにする。また、ウォーキング(65歳未満は1日8000歩、65歳以上は1日7000歩が目標歩数)や軽いジョギングなどもおすすめ(骨に適度な衝撃を加えることによって、骨密度を保つ)。
・睡眠は更年期症状の予防に重要。就寝と起床の時刻を一定にし、1日6時間以上、理想としては7時間以上の睡眠をとるように心がけると良い(自律神経のバランスが整い、肌や髪のターンオーバーが調整される)。
・糖質、たんぱく、脂質をバランスよくとり、緑黄野菜やきのこ類などで、食物繊維やビタミン・ミネラルを補う。
・大豆イソフラボンを、1日50〜70mg(納豆なら1パック、豆乳ならコップ1杯程度)を目安に摂取する。ただし、摂りすぎに注意。
*大豆イソフラボンの一つ、「ダイゼイン」という成分が、腸内細菌によって分解・代謝され、「エクオール」という成分になり、体内でエストロゲンのような作用をもたらす。
*エクオールを生み出す腸内細菌はすべての人の腸の中にいるわけではない。自分にエクオール産生能があるかは、市販の検査キットでも確認できる。
*エクオールの効果:ホットフラッシュ、首こり、肩こりの軽減、糖尿病のリスクを下げるなど。
・膀胱、子宮、直腸などの大事な臓器を支えている骨盤底筋を鍛えることで、尿もれや子宮脱など骨盤底筋に関わる更年期トラブルや、ボディラインの崩れの予防が期待できる。
*参考:NHK健康チャンネル(https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1368.html)
・更年期以降は、適正体重を保つ、排便時にいきまない(後ろにもたれかかるように座っていきむと骨盤底を痛めるので、上半身を前に傾け、ゆっくりと呼吸して排便する)、重いものを一気に持たない、床のものをとるときは、ひざと股関節を曲げ、体を低くしてしゃがむなど、気を付ける。
・体の不調が更年期によるものなのか、別の病気(橋本病、パセドウ病など)によるものなのかは見分けをつけるのが難しいので、毎年の健康診断を欠かさないことが大切。
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同僚が更年期障害で苦しそうだったのと、自分も40代に突入したので、更年期とはなんぞやを知りたくて、この本を購入しました。
更年期がもたらす様々な体の不調について読んでいると、絶望的な気持ちになりました。
しかし、「閉経以降は、月経周期から解放され、落ち着いていろいろなことに取り組めるようになり、安定して結果が出せるようになる「リスタート」の時期」という高尾先生の言葉を読んで、ネガティブになりすぎないようにしようと思えました。
本記事でまとめたのは、本に書かれてあることのごく一部です。本では、骨盤底筋を強化するヨガのポーズや、婦人科で受けられる更年期障害の治療についても詳しく紹介されています。文字は比較的大きく、イラストやグラフなども多いので読みやすく、とても参考になる話ばかりでした。
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