NHKラジオスペイン語〜名詞を修飾する接続法2

スペイン語

NHKラジオスペイン語(応用編)を聞いていて、なるほど〜と思ったことや、印象に残った表現を自由にまとめます(語学のプロではないので、間違っていたらすみません…)。

2024年1月12日のテーマは、前回に続き、名詞を修飾する表現で使われる接続法でした。

否定を表す先行詞が接続法を導く

【番組のスキット】
¡Mira Sancho, allí hay gigantes!
Perdone, señor. Yo no veo nada que parezca gigante.
¡Pero si hay gigantes que tienen brazos largos!
Señor, son molinos de viento que tienen aspas volteadas por el viento.
Oh, Sancho, no conozco a nadie que sea tan terco como tú.
¡Gigantes! Seguro que no habéis luchado con caballeros que fueran tan valientes como yo.
¡No huyáis!
No he estado nunca en una situación que me moleste tanto…

今回のスキットは、17世紀のラマンチャ地方を舞台とした、二人の男性の会話でした。

黒の下線部では、名詞を修飾するのに接続法が、黄色の下線部では、直説法が用いられています。

番組で説明されていた両者の違いは、下記のとおりです。

💡直説法:先行する言葉が、確かに存在すると伝えるときは直説法。
💡接続法:存在が否定されている事柄を修飾するときは接続法。nada(何もない)、nadie(誰もいない)、nunca(決して〜ない)のような、否定を表す先行詞は、接続法を導く。

直説法の例から見ていくと、

Pero si hay gigantes que tienen brazos largos.(長い腕をもった巨人たちがいるではないか)では、話し手が巨人について、確かに存在すると言っているので、直説法となっています。

また、son molinos de viento que tienen aspas volteadas por el viento.(あれは、風で羽根が回っている風車ですよ)も、話し手が、そういう風車が存在することを言っているので、直説法が使われています。

一方、接続法が使われている文をみてみましょう。

no veo nada que parezca gigante.(私には巨人と思えるようなものは何も見えません)は、nadaという否定の意味を持つ言葉を修飾しているので、接続法が用いられています。

Seguro que no habéis luchado con caballeros que fueran tan valientes como yo.(私ほど勇敢である騎士とお前たちは戦ったことはないであろう)では、私ほど勇敢な騎士は存在しないという否定の力で動詞は接続法、さらに、時制の一致のルールで、接続法過去形が使われています。

最後に、No he estado nunca en una situación que me moleste tanto.(これほど困らせる目に私はあったことはない)は、そんなシチュエーションは存在しないという否定の文脈なので、molestarが接続法となっています。

ドン・キホーテ

サンチョ(Sancho)、巨人(gigantes)、風車(molinos de viento)という単語が出てきたので、今回のスキットは、ドン・キホーテが風車に突進するエピソードに基づいているとピンと来た人がいると思います。

恥ずかしながら、私はドン・キホーテをちゃんと読んでいないのですが、この風車のエピソードはあまりにも有名なので、スキットを聞いた時に気がつきました。

番組では、ドン・キホーテとサンチョ・パンサの名前について話されていました。

ドン・キホーテのドン(Don)は男の人の名前につける敬称で、キホーテ(Quijote)は、もともとは中世の鎧のうち、太ももを守る部分だったそうです。そのため、Don Quijoteは、「太ももを守り殿」と言えますねと先生がおっしゃっていて、ちょっと笑ってしまいました。

サンチョ・パンサのサンチョ(Sancho)は一般的な男の人の名前、パンサ(Panza)は、ぽっちゃりとしたお腹を意味します。

ドン・キホーテを読まなきゃと思いながら20年くらい経ってしまいました。読まなきゃ…。

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