NHKラジオスペイン語(応用編)を聞いていて、なるほど〜と思ったことや、印象に残った表現を自由にまとめます(語学のプロではないので、間違っていたらすみません…)。
2023年8月3日放送の主なテーマは、「〜してしまった」をスペイン語でどう表現するのか、でした。
sin quererを使った言い方
まずは、例文1と2の違いを見てみましょう。
ラジオでの例文1) Rompí el vaso. 私はコップを割った。
例文2) Rompí el vaso sin querer. 私はコップを割ってしまった。
例文1だと、故意にコップを割ったことになります。例えば、嫌なことがあって、イライラしてコップを壁に投げつけ、割ったイメージでしょうか…。
それでは、「意図的ではないけど、割れてしまった」と伝えるにはどうすればいいかというと、例文2のように、sin querer(無意識に、意図せずに)を文末に付ければいいとのことでした。
簡単ですね!
romperとestropearの違い
和西辞典で、「壊す」と引くと、romperの他に、estropearという動詞も載っています。
ラジオでの説明によると、romperは、目に見える形で物が壊れているとき(皿やコップが割れているなど)に使う動詞で、estropearは、目に見える壊れ方ではなく、以前のように機能しない=故障していることを表す動詞とのことです。
例文1)Ayer, al sacar el móvil del bolsillo, lo rompí sin querer. 昨日、ポケットから携帯電話を取り出す時に、壊してしまった。
例文2) Llamé al servicio técnico porque mi hijo estropeó el ascensor sin querer. 息子がエレベーターを故障させてしまったので、技術サービスを呼びました。
estropearは「故障させる」イメージなので、皿やコップなどを割った時には使いません。
その他の表現
その他使える表現として、以下が紹介されていました。
ラジオでの例文) Se me rompió la cámara. カメラを壊してしまった。
se rompió la cámaraと言うと、単に「カメラが壊れた」という意味になりますが、”me”を入れることで、次の2つのニュアンスを表していることになります。
- 自分がカメラを使っている間に、原因はわからないが、カメラが動かなくなってしまった(原因は自分にあるかもしれない。)
- 自分に原因があったとしても、決して意図したものではない。
また、この表現を使うと、当事者の責任を追求しない(=当事者の気分を害さないよう、配慮した)言い方となります。
例文)A Pilar se le manchó el uniforme del colegio. ピラールは学校の制服を汚してしまった。
“se”と動詞の間に入るのは、間接目的格人称代名詞(me,te,le,nos,os,les)です。
一方、自分に対して使うと、自分の責任ではないという言い訳として使えます。
例文) Se me ha estropeado el ordenador y no puedo enviarte el trabajo. Lo siento muchisímo. コンピューターが故障してしまって、レポートが送れません。本当に申し訳ございません。
ホンマかいな?と聞き手に思わせる文で、リディア先生も”esa excusa la he oído antes.”(以前にも聞いたことある言い訳だわ)とおっしゃっていました。
コメント