NHKラジオスペイン語(応用編)を聞いていて、なるほど〜と思ったことや、印象に残った表現を自由にまとめます(語学のプロではないので、間違っていたらすみません…)。
2024年2月22日のテーマは、前回に続き、Si+接続法の条件文でした。
過去の反事実条件文
【番組のスキット】
Continuemos la visita en autobús.
¿Ha dormido bien, señora?
¿Cómo? Ah, sí, sí. Aquí se pueden observar muchas aves, ¿verdad?
Pero ¿dónde están?
Hoy no hay muchas.
Si hubieran venido en invierno, habrían visto miles de aves acuáticas.
¡Qué lástima! Y ¿dónde están los gatos?
Quiere decir linces, ¿no?
Es que hace un rato pasó una pareja de linces delante de este autobús.
Pero como usted estaba dormida…
Oh, si los hubiera visto, habría sacado fotos.
今回のスキットは、ドニャーナ国立公園での、観光客とガイドの会話でした。
前回のスキットでは、「現在の反事実条件文」を習いました。
今回の主役は、過去の反事実条件文です。
過去の事実に反することを伝えるSi条件文では、条件節に接続法過去完了形、帰結節に直説法過去未来完了形が用いられます。
スキットの例文を見てみましょう。
・Si hubieran venido en invierno, habrían visto miles de aves acuáticas.もし、冬に来てくださっていれば、何千もの水鳥を見ることができたのですが…
→ この観光客たちは、冬に来なかった。
・si los hubiera visto, habría sacado fotos.もしヤマネコを見ていれば、写真を撮ったのに。
→実際は居眠りをしていてヤマネコを見逃し、写真も撮れなかった。
うーん、ややこしいですね‥。これまで3回にわたって学習したSi条件文を比べてみます。
【現実的条件文】
・Si veo cigüeñas, les sacaré fotos. コウノトリを見つけたら、写真を撮ります。
見つかるかどうかはわからないけれど、もし見つけたら…と、現在の単純な仮定を表す。
条件節:直説法、帰結節:直説法
【現在の反事実条件文】
・Sí viera ciervos volantes, les sacaría fotos. もしクワガタムシを見つけたら、写真を撮るのですが‥。
実際には見つけられていないけれど、もし見つけたら…と、現在の状況と異なる条件を表す。
条件節:接続法過去形、帰結節:直説法過去未来形
【過去の反事実条件文】
・Si hubiera visto linces, les habría sacado fotos.
条件節:接続法過去完了形、帰結節:直説法過去未来完了形
実際はヤマネコを見逃したけど、もし見ていれば…と過去の事実とは異なる条件を表す。
それでは、「もしあの時〜していたら/〜していなかったら、今頃は〜だろう」のように、条件節に過去の反事実条件、帰結節に現在のことを表したい時はどうすればいいのでしょうか。
その答えは次のスキットで出てきますので、別記事をご参照ください。
スペインオオヤマネコ
今回のスキットの舞台となったドニャーナ国立公園は、スペインのアンダルシア地方にあり、ユネスコの世界遺産に登録されています。
Lince Ibérico(日本語でスペインオオヤマネコ)は、2002年時点で個体数が100匹以下となり、絶滅しかけていました。しかし、懸命な保護活動により、現在、個体数は1,100匹以上まで回復しているそうです。主食はウサギです。
私は、イリオモテヤマネコのようなイメージをもっていたのですが、YouTube でスペインオオヤマネコの映像を見て、大きい!とびっくりしました。
体は大きいけど、お顔は凛々しくて、可愛いです。
興味のある方は、Lince Ibéricoの保護活動に関するEl Paísのドキュメンタリーをぜひご覧ください。
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